
菜の花・ひまわり栽培農家
(写真右から)洲本市・大野地区 菜の花生産者 山西 彬博さん、武本 浩己さん
洲本市・大野地区 菜の花生産者世話役 福島啓寿さん
大野連合町内会では「大野地区を花いっぱいにしたい。」という思いから、平成18年度より菜の花・ひまわりエコプロジェクトに参加され、現在は「大野菜の花ひまわり部会」として洲本市の約半分の菜の花・ひまわりを栽培しています。
大野公民館の近くには山西さんが育てていらっしゃる菜の花畑があり、緩やかな畦道を下ると、かわいらしい菜の花が田んぼを彩るように咲いていました。山西さんは
「これは景観用(食用)。黄色が鮮やかなんだ。」「あっちの搾油用は今年ちょっと遅いな。雨も少なかったし、寒かったしな。除草剤を使わないから苦労するけどな。」
と、子どもを愛でるように菜の花に触れます。
また、山西さんの菜の花畑では、春分の時季に「大野菜の花祭り」を町内会主催で開催しています。子どもから高齢者まで1000人ほどが参加する大きな催しで、菜の花畑にステージを設け、そこで子どもたちの和太鼓演奏や民謡を歌うなどの余興を行うほか、大野で育った菜の花の天ぷらをふるまったり、大野地区で採れた菜種油やひまわり油を販売します。地域の人たち、特に子どもたちに安全で安心な食のおいしさを届けたい。地産地消と地域のつながりを大切にする思いが伝わってきました。
武本浩己さんは、隣接する他の地主さんとも協力して、2ha程の広さに、春は菜の花、夏はひまわりを栽培していらっしゃいます。「ここは子どもたちが毎日学校へ行くときに通るの。子どもたちの記憶に大野の美しい景色が残るでしょ。」
ここからの眺望は洲本八景にも選ばれ、淡路富士とも呼ばれる先山と菜の花畑の黄色が美しい景色が広がっています。
福島さんは「田を耕すことは大切。稲は植えなくても年に一度、菜の花やひまわりを育てていれば、すぐ田んぼに戻すこともできる。でも農家の高齢化や地主がこの場所を離れたりして休耕田も増えている。若い人の力がほしい。」と、プロジェクトや農業のこれからについても考えられていました。
油職人の紹介
平成26年度から、ウェルネスパーク五色内にある「搾油所」で菜の花やひまわりの搾油作業を行っている「油職人」のこだわりを紹介します。
油を搾る過程において、最も重要な工程なのが「焙煎」と「圧搾」です。
原料となる菜の花やひまわりは「焙煎」によって油が出やすくなりますが、焙煎しすぎると焦げ臭くなります。
また、焙煎した菜種は「圧搾」によって油を搾りますが、搾る圧力が強すぎると味が苦くなり、色も悪くなります。
風味豊かで琥珀色に輝く油を作るため、「焙煎」「圧搾」工程は全神経を集中して、微妙な調整を行っています。
一般財団法人五色ふるさと振興公社 高田・林・橋本
ウェルネスパーク五色内にある搾油所で作業する3人(左から高田・林・橋本)